前回の続きです。

今回から、EUの「生涯学習のためのキー・コンピテンシー」の一つ一つの内容を紹介していきます。

はじめは、リテラシー(Literacy competence)についての説明です。

リテラシー(Literacy competence)

リテラシー(Literacy competence)について、EUの「生涯学習のためのキー・コンピテンシー」では、次のとおり定められています。(欧州理事会の勧告(2018/C 189/01)の別紙の内容から一部を抜き出して紹介します。)

リテラシー(Literacy competence)

「リテラシーとは、さまざまな分野や状況にわたって、口頭および書面の両形式で、視覚的・音声的・デジタル素材を用い、概念、感情、事実、意見を識別し(identify)、理解し、表現し、創造し、解釈する能力を指します。これは、適切かつ創造的な方法で他者と効果的にコミュニケーションを取り、つながる能力を意味します。

リテラシーの発達は、さらなる学習とさらなる言語的相互作用(linguistic interaction)の基盤を形成します。状況に応じて、リテラシーの能力は、母語、学習言語(language of schooling)、および/または国や地域の公用語において育成されます。」

このコンピテンシーに関連する必須の知識、技能、および態度

「このコンピテンシー(competence)には、読み書きの知識と、書かれた情報を正しく理解する力(sound understanding)が含まれます。したがって、語彙、機能文法(functional grammar)、言語の機能に関する知識が求められます。主な言語的相互作用の形態、様々な文学的・非文学的テキスト、言語の異なる様式や語調(registers)の主な特徴に対する認識も含まれます。

個人は、様々な場面において口頭および書面でコミュニケーションをとる能力、ならびに状況の要求に応じて自身のコミュニケーションを監視し(monitor)適応させる(adapt)技術を有すべきです。このコンピテンシーには、異なる種類の情報源を区別し活用する能力、情報を検索・収集・処理する能力、補助(aids)を活用する能力、文脈に応じた説得力のある(convincing)方法で口頭および書面による主張を構築し表現する能力も含まれます。批判的思考と情報を評価し扱う力(ability to assess and work with information)もこれに含まれます。

リテラシーに対する積極的な姿勢(positive attitude)には、批判的かつ建設的な対話への意欲(disposition)、美的特質(aesthetic qualities)への理解、他者との交流への関心(interest)が含まれます。これは、言語が他者に与える影響(impact)への自覚、そして言語を前向き(positive)かつ社会的責任を持って理解し使用する必要性を示唆しています。」

所感

リテラシーを、「適切かつ創造的な方法で他者と効果的にコミュニケーションを取り、つながる能力」と位置づけており、機能的にとらえています。「批判的かつ建設的な対話への意欲」や「他者との交流への関心」も、リテラシーに含めています。つまり、「コミュニケーション」の能力を「リテラシー」に含めているということです。(EUの「生涯学習のためのキー・コンピテンシー」は、「コミュニケーション」を独立した項目として挙げていません。)

EUの「生涯学習のためのキー・コンピテンシー」では、リテラシーの能力を機能的にとらえており、「異なる種類の情報源を区別し活用する能力、情報を検索・収集・処理する能力、補助を活用する能力」、「批判的思考と情報を評価し扱う力」まで含むとしています。

個人的には、機能文法(functional grammar)に関する知識を必須のものと位置づけている点が興味深いと感じました。

次回に続きます。

元塾 藤本豪