前回の続きです。

今回は、多言語能力(Multilingual competence)についてお話しします。

多言語能力(Multilingual competence)

多言語能力(Multilingual competence)について、EUの「生涯学習のためのキー・コンピテンシー」では、次のとおり定められています。(欧州理事会の勧告(2018/C 189/01)の別紙の内容から一部を抜き出して紹介します。)

「このコンピテンシーは、コミュニケーションのために異なる言語を適切かつ効果的に使用する能力と定義されます。これは、リテラシーの主要な技能的側面を広く共有しています。すなわち、口頭および書面(聞く、話す、読む、書く)の両方の形式において、概念、思考、感情、事実、意見を理解し、表現し、解釈する能力に基づいています。これは、個人の欲求や必要に応じて、適切な範囲の社会的・文化的文脈において行われます。言語のコンピテンシーは、歴史的側面(historical dimension)と異文化間能力(intercultural competences)を統合したものです。欧州言語共通参照枠(CEFR)で概説されているように、異なる言語や媒体間の仲介能力に依存しています。状況に応じて(as appropriate)、母語能力の維持・発展や、国の公用語の習得を含む場合があります。」

このコンピテンシーに関連する必須の知識、技能、および態度

「このコンピテンシーには、異なる言語の語彙や機能文法(functional grammar)の知識、主要な言語的相互作用の形態や言語の語調(registers)に関する理解が求められます。社会的慣習(societal conventions)や言語の文化的側面、多様性(variability)に関する知識も重要です。

この能力に不可欠なスキルは、個々のニーズに応じて、異なる言語で、異なる習熟度レベルにおいて、話し言葉のメッセージを理解する能力、会話を開始・継続・終結させる能力、文章を読み理解し作成する能力で構成されます。個人は、生涯を通じて、適切なツールを活用し、制度的な方法(formally)、非制度的な方法(non-formally)、そして非組織的な方法(informally)で言語を学ぶことが求められます。

前向きな姿勢には、文化的多様性の理解、異なる言語や異文化間コミュニケーションへの関心と好奇心が含まれます。また、少数派や移民のバックグラウンド(migrant background)を持つ人々の母語への尊重、そして相互交流の共通基盤としての国の公用語への理解を含む、各個人の言語的背景への敬意も含まれます。」

所感

リテラシー + 異文化理解の能力 といった感じの内容です。

「言語のコンピテンシーは、歴史的側面と異文化間能力を統合したものです。」

「社会的慣習や言語の文化的側面、多様性に関する知識も重要です。」

「文化的多様性の理解、異なる言語や異文化間コミュニケーションへの関心と好奇心が含まれます」

「少数派や移民のバックグラウンドを持つ人々の母語への尊重、そして相互交流の共通基盤としての国の公用語への理解を含む、各個人の言語的背景への敬意も含まれます。」

といった部分に、それが表れています。

次回に続きます。

元塾 藤本豪