前回は、「P21 フレームワーク」の「主要な教科及び21世紀のテーマ」における各項目を紹介しました。今回は、「学びとイノベーションのスキル」における各項目を説明します。

「学びとイノベーションのスキル」における各項目
「学びとイノベーションのスキル」における各項目の内容は、以下のとおりです。
(以下の記述は、https://files.eric.ed.gov/fulltext/ED519462.pdfの内容から抜粋して和訳したものです。)
創造性とイノベーション(CREATIVITY AND INNOVATION)
創造的に考える
- ブレインストーミングなど、多様なアイディア創出手法を活用する
- 新しい、価値ある(worthwhile)アイディア(漸進的(incremental)・急進的(radical)コンセプトの両方)を創出する
- 創造に向けた努力(creative efforts)を向上・最大化するために、自身のアイディアを精緻化し(elaborate)、洗練させ(refine)、分析・評価する
他者とクリエイティブに協働する
- 新しいアイディアを効果的に開発・実施(implementing)し、他者に伝達する(communicate)
- 新しい多様な視点(new and diverse perspectives)に開かれた姿勢で対応し(be open and responsive)、グループの意見(input)やフィードバックを活動(work)に反映させる
- 活動(work)において独創性(originality)と創意工夫(inventiveness)を示し、新たなアイディアを採用する際の現実的な限界(the real world limits)を理解する
- 失敗を学びの機会と捉え、創造性とイノベーションは小さな成功と頻繁な失敗を繰り返す長期的で(long-term)循環的な(cyclical)プロセスであることを理解する
イノベーションを実行する(implement)
- 創造的なアイディアを実行に移し(act on)、イノベーションがなされる分野に対し、具体的かつ有用な貢献(tangible and useful contribution)を行う
批判的思考と問題解決(CRITICAL THINKING AND PROBLEM SOLVING)
効果的に推論する(Reason Effectively)
- 状況に応じて様々な推論方法(帰納法、演繹法など)を活用する
システム思考を活用する(Use Systems Thinking)
- 複雑なシステムにおいて、全体を構成する各部分が相互に作用し、全体の結果を生み出す仕組みを分析する
判断と意思決定を行う(Make Judgments and Decisions)
- 証拠、議論、主張、信念(beliefs)を効果的に分析・評価する
- 主な代替案(major alternative points of view)を分析・評価する
- 情報と議論をすり合わせ(synthesize)、それらの関連性を構築する
- 情報を解釈し、最善の分析(the best analysis)に基づいて結論を導く
- 学習の経験とプロセスを批判的に省察する(reflect critically)
問題を解決する
- 従来型(conventional)および革新的な(innovative)方法の両方で、様々な種類の未知の問題(non-familiar problems)を解決する
- 様々な考え方(points of view)を明確にしてより良い解決へと導く、重要な質問をつくり出し(identify)、投げかける(ask)
コミュニケーションと協働(COMMUNICATION AND COLLABORATION)
明確にコミュニケーションをする
- 様々な形式や状況(contexts)において、口頭・書面・非言語コミュニケーションのスキルを活用し、思考やアイディアを効果的に表現する(articulate)
- 知識、価値観、態度、意図などの意味を読み解く(decipher)ために、効果的に聴く
- 様々な目的(情報を伝える、指示する、やる気を出させる、説得する等)のためにコミュニケーションを活用する(utilize)
- 複数のメディアや技術を活用し、それらの効果(effectiveness)を事前に判断する方法や影響(impact)を評価する方法を知る
- 多様な(diverse)環境(多言語環境を含む)において効果的にコミュニケーションを行う
他者と協働する
- 多様な(diverse)チームと効果的かつ敬意をもって(respectfully)協働する能力を発揮すること
- 共通の目標達成のために必要な妥協を行う際、柔軟性と協力的な姿勢(willingness to be helpful)を示すこと
- 共同作業(collaborative work)における責任を共有し(assume shared responsibility)、各チームメンバーの個々の貢献を尊重する(value)こと
所感
個人的には、「失敗を学びの機会と捉える」、「創造性とイノベーションは小さな成功と頻繁な失敗を繰り返す長期的で循環的なプロセスであることを理解する」という部分が良いと思いました。
問題解決のところで質問を重視している(「様々な考え方を明確にしてより良い解決へと導く、重要な質問をつくり出し、投げかける」)ことも、興味深いです。
「ブレインストーミング」「帰納法」「演繹法」といった具体的な方法が挙げられているのも良いですね。
協働のところも、短い記述の中に重要なポイントがいくつも含まれていると思います。
P21の作成には大企業が関与していますが、それが良い面で表れた、充実の内容だと思いました。
次回に続きます。
元塾 藤本豪


