前回の続きです。
今回は、市民性の能力(Citizenship competence)についてお話しします。

市民性の能力
市民性の能力(Citizenship competence)について、EUの「生涯学習のためのキー・コンピテンシー」では、次のとおり定められています。(欧州理事会の勧告(2018/C 189/01)の別紙 の内容から一部を抜き出して紹介します。)
「市民性の能力とは、社会的・経済的・法的・政治的概念および構造、ならびに地球規模の発展と持続可能性に関する理解に基づき、責任ある市民として行動し、市民生活や社会生活に十分に参加する能力を指します。」
このコンピテンシーに関連する必須の知識、技能、および態度
「市民性の能力は、個人、集団、労働組織、社会、経済、文化に関連する基本的な概念や現象に関する知識に基づいています。これには、欧州連合条約第2条および欧州連合基本権憲章に示されている欧州の共通の価値観の理解が含まれます。現代の出来事に関する知識、ならびに国家、欧州、世界史における主要な発展の批判的理解も含まれます。さらに、社会的・政治的運動の目的、価値観、政策、ならびに持続可能なシステム、特に地球規模での気候変動や人口動態の変化とその根本原因についての認識も含まれます。欧州統合に関する知識、および欧州と世界における多様性と文化的アイデンティティへの認識は不可欠です。これには、欧州社会の多文化的・社会経済的側面の理解、ならびに各国の文化的アイデンティティが欧州のアイデンティティにどのように寄与するかの理解が含まれます。
市民性の能力に関する技能は、社会の持続可能な発展を含む、共通または公共の利益のために他者と効果的に関わる能力に関連します。これには、批判的思考と統合的な問題解決能力、議論を展開する技能、地域活動や地方・国家から欧州・国際レベルに至るあらゆる段階での意思決定への建設的参加が含まれます。これには、伝統的・新たなメディア形態へのアクセス能力、批判的理解力、相互作用能力、そして民主主義社会におけるメディアの役割と機能の理解も含まれます。
民主主義の基盤としての人権尊重は、責任ある建設的な姿勢の礎となります。建設的参加とは、あらゆるレベルでの民主的意思決定や市民活動への参加意欲を指します。これには、社会的・文化的多様性、男女平等、社会的結束(social cohesion)、持続可能な生活様式、平和と非暴力の文化の促進、他者のプライバシーを尊重する姿勢(readiness)、環境に対する責任の自覚への支持が含まれます。政治的・社会経済的動向、人道的考慮(humanities)、異文化間コミュニケーションへの関心は、偏見を克服し、必要に応じて妥協し、社会的公正と公平性を確保する準備として必要です。」
所感
個人的には、市民性の能力の中に「平和と非暴力の文化の促進、他者のプライバシーを尊重する姿勢」が入っているのが特徴的だと思いました。
次回に続きます。
元塾 藤本豪


