前回に続き、一つ一つのコンピテンシーの意味内容を見ていきます。
今回は、適応的思考(Adaptive Thinking)についてです。

適応的思考を主要コンピテンシーとして定めている国・地域・組織
このブログで取り上げた17の国、地域、組織のうち、コンピテンシーの一つとして適応的思考(Adaptive Thinking)や適応能力(Adaptability)を挙げているのは、シンガポール、米国(P21 Framework)、台湾です。状況の変化に適応していく能力については、他の国でも重視されています。
シンガポール
適応的思考(Adaptive Thinking)とは、変化や不確実性に柔軟に対応できる思考力を指します。
シンガポールは、適応的思考(Adaptive Thinking)の定義を公式には定めていないようですが、シンガポール教育省の出している様々な文書(例えば https://file.go.gov.sg/21ccsnb.pdf)を読む限り、適応的思考(Adaptive Thinking)とは、新しい状況や予測不能な問題に直面したときに、柔軟に思考や行動を切り替える。既存の知識やスキルを新しい文脈に応用する。一つの正解に固執せず、状況に応じて最適解を見つけようとする。こういったことを実現させる思考力という意味であると理解することができます。
米国(P21 Framework)
米国(P21 Framework)では、適応能力(Adaptability)について、以下のとおり定めています。
適応能力(Adaptability)
変化に適応する
- 様々な役割、仕事上の責任、スケジュール、状況(contexts)に適応する
- 不明確な状況や優先順位の変化の中でも効果的に働く
リンク
台湾
台湾では、計画の実行とイノベーション、変化への適応(規劃執行與創新應變)について、以下のとおり定めています。
計画の実行とイノベーション、変化への適応(規劃執行與創新應變)
計画を立案し実行する能力を備え、多様な専門知識・能力を試行錯誤しながら発展させ、生活経験を豊かにし、革新的な精神を発揮することによって、社会の変化に対応し、個人の弾力的な適応力を高めます。
リンク
所感
適応的思考・適応的能力は、このブログで取り上げた17の国、地域、組織のうち3つが挙げているにとどまりますが、この思考・能力が重要であることに、おそらく異論はないのではと思います。「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き残るのでもない。生き残るのは、変化に最も適応できるものである。」という言葉があるぐらいですので。
とくに、今後はVUCAという言葉で呼び表されるような、変化のスピードの速い、予測困難な世の中になるといわれています。したがって、適応的思考・適応的能力は、ますます重要になると考えられ、その点を重視している米国(P21)、シンガポール、台湾は、さすがだなと思います。
次回に続きます。
元塾 藤本豪


