前回の続きです。

小括

これまで、以下の17の国・地域・組織の定めるコンピテンシーを紹介してきました。

シンガポール、カナダ、ノルウェー、EU、IB(国際バカロレア)、P21(米国)、フィンランド、エストニア、アイルランド、オーストラリア、マレーシア、韓国、台湾、スペイン、ケニア、ブラジル、インド

国によって定め方に違いがあり、各国の特色もありますが、複数の国に共通する内容が多いといえるのではないでしょうか。

次世代教育研究推進機構によるプロジェクト

ちなみに、東京学芸大学の次世代教育研究推進機構によるプロジェクト(2015年から2022年)では、次のコンピテンシーを提案しています。

汎用的スキル

  • 批判的思考力
  • 問題解決力
  • 協働する力
  • 伝える力
  • 先を見通す力
  • 感性・表現・創造の力
  • メタ認知力

態度・価値

  • 愛する心
  • 他者に対する受容・共感・敬意
  • 協力しあう心
  • より良い社会への意識
  • 好奇心・探究心
  • 正しくあろうとする心
  • 困難を乗り越える力
  • 向上心

「愛する心」というのは珍しいですが、それ以外は、概ね他の国々の定めるコンピテンシーと共通しているのではと思います。

標準的な主要コンピテンシー(私案)

私(藤本)はカナダの書き方が分かりやすいと思うので、カナダの定める主要コンピテンシーをベースに、他の国の主要コンピテンシーを補ってみました(ただし、P21(米国)の金融・経済・ビジネスのリテラシーなど、一部のものは除きました。取捨選択において、私の主観が入っております。)。

ざっくりまとめると、下記のコンピテンシーが、これまで紹介してきた国・地域・組織で概ね共通して取り入れられている、標準的な主要コンピテンシーといえるのではないでしょうか。

  • 言葉の能力(Literacy)、数字の能力(Numeracy)、ICTの能力(ICT Literacy)
  • 批判的思考、適応的思考、問題解決(Critical Thinking, Adaptive Thinking, and Problem Solving)
  • イノベーション、創造性、アントレプレナーシップ(Innovation, Creativity, and Entrepreneurship)
  • 学び方の学び / 自己認識と自己管理 (Learning to Learn / Self-Aware & Self-Management)
  • コミュニケーション(Communication)
  • 協働(Collaboration)
  • 倫理(Ethics)
  • 異文化理解(Intercultural Understanding)
  • サステナビリティ(Sustainability)
  • 市民的リテラシー(Civic Literacy)
  • 健康(Health)

しかし、こうして単語を並べているだけでは、その内容を理解することはできません。

そこで次回からは、上記の各コンピテンシーひとつひとつの意味内容を、国を横断しながら見ていこうと思います。

元塾 藤本豪