前回は、「P21 フレームワーク」の「情報、メディア、テクノロジーのスキル」における各項目を紹介しました。今回は、「生活と仕事のスキル」における各項目を説明します。

なぜ「生活と仕事のスキル」を伸ばす必要があるのか
「生活と仕事のスキル」における各項目の内容を紹介する前に、その前文を紹介します。
(以下の記述は、https://files.eric.ed.gov/fulltext/ED519462.pdfの内容から抜粋して和訳したものです。)
「現代の生活と仕事環境は、思考力や内容面の知識(content knowledge)だけでは全く不十分です。グローバル競争の激しい情報化時代において複雑な生活環境や仕事環境にうまく対処する(navigate)には、学生が十分な生活スキルと仕事スキルを身につけることに真剣に注意を払う(pay rigorous attention)必要があります。」
「生活と仕事のスキル」の各項目の内容
「生活と仕事のスキル」(LIFE AND CAREER SKILLS)には、次のものが含まれます。
柔軟性と適応能力(FLEXIBILITY AND ADAPTABILITY)
変化に適応する
- 様々な役割、仕事上の責任、スケジュール、状況(contexts)に適応する
- 不明確な状況や優先順位の変化の中でも効果的に働く
柔軟さをもつ
- フィードバックを効果的に取り入れる
- 称賛、挫折(setbacks)、批判に前向きに対処する
- 多様な見解や信念を理解し、交渉し、バランスを取りながら、実行可能な解決策(workable solutions)に到達する。特に多文化環境において 変化に適応する
自主性と自己管理能力(INITIATIVE AND SELF-DIRECTION )
目標と時間を管理する
- 具体的および抽象的な成功基準(success criteria)をもって目標を設定する
- 戦術的(短期)目標と戦略的(長期)目標とのバランスを取る
- 時間を使い、作業負荷(workload)を効率的に管理する
独立して仕事をする
- 直接の監督(direct oversight)なしに、タスクを監視し、定義し、優先順位をつけ、完了させる
自律的な学習者(self-directed learner)
- スキルやカリキュラムの基礎的な習得を超え、自らの学びと、専門性を高める機会を探求し、拡大する
- スキルのレベルをプロフェッショナルレベルへ高めるための自発性を示す
- 生涯にわたる学習プロセスへの取り組みを示す
- 過去の経験を批判的に振り返り、将来の進歩に活かす
社会的スキルと異文化能力(SOCIAL AND CROSS-CULTURAL SKILLS)
他者と効果的に関わる
- 聞くべき時と語るべき時とを見極める
- 尊敬できるプロフェッショナルな態度で(in a respectable, professional manner)振る舞う
多様性をもつチームで効果的に働く
- 文化的差異を尊重し、様々な社会的・文化的背景を持つ人々と効果的に協働する
- 異なる考え方や価値観に対して柔軟に対応する(respond open-mindedly)
- 社会的・文化的差異を活かして(leverage)新たなアイディアを生み出し、イノベーションと仕事の質を向上させる
生産性と責任感(PRODUCTIVITY AND ACCOUNTABILITY)
プロジェクトを管理する
- 障害や競合する圧力に直面しても、目標を設定し達成する
- 意図した結果を達成するために、仕事を優先順位付けし、計画し、管理する
成果を上げる
• 高品質な成果物(products)を生み出すことに伴う追加の特性を示す。これには以下の能力が含まれる:
- 積極的にかつ倫理的に働く
- 時間とプロジェクトを効果的に管理する
- 複数の仕事を同時にこなす
- 積極的に参加し、信頼でき時間厳守である
- プロフェッショナルな態度と適切なエチケットで振る舞う
- チームと効果的に協働し協力する
- チームの多様性を尊重し評価する
- 結果に対して責任を持つ
リーダーシップと責任(LEADERSHIP AND RESPONSIBILITY)
他者を導き、率いる
- 対人スキルと問題解決能力を用いて、他者を目標へ導く
- 他者の強みを活かし(leverage)、共通の目標を達成する
- 自らの模範(example)と献身的な姿勢(selflessness)で、周囲の人を奮い立たせ(inspire)、最高の力を引き出す
- 影響力と権力を行使する際、誠実さ(integrity)と倫理的な行動を示す
- 他者に対して責任を持つ
- より大きな共同体の利益を念頭に置き、責任を持って行動する
所感
この「生活と仕事のスキル」に関する説明は、「生活」に関する内容は少なく、ほとんどが「仕事」に関する内容ですが、学ぶべきところが多かったです。P21フレームワークの中で、一番勉強になる部分と思いました。
個人的に特に印象深かったのは以下の部分です。自分が仕事するときにも意識しようと思います。
「称賛、挫折、批判に前向きに対処する」
「聞くべき時と語るべき時とを見極める」
「尊敬できるプロフェッショナルな態度で振る舞う」
「社会的・文化的差異を活かして新たなアイディアを生み出し、イノベーションと仕事の質を向上させる」
「複数の仕事を同時にこなす」
「プロフェッショナルな態度と適切なエチケットで振る舞う」
「自らの模範と献身的な姿勢で、周囲の人を奮い立たせ、最高の力を引き出す」
「より大きな共同体の利益を念頭に置き、責任を持って行動する」
次回に続きます。
元塾 藤本豪


