前回の続きです。今回は、まとめです。

標準的な主要コンピテンシー

前回まで、私(の思う)ところの「標準的な主要コンピテンシー」についての各国紹介を書いてきました。

同じコンピテンシーに関する複数の国々の説明を読むことで、それぞれのコンピテンシーの意味内容が(国ごとのニュアンスの差はあれ)だいぶ良く分かってくるのではないでしょうか。

  • 言葉の能力(Literacy)、数字の能力(Numeracy)、ICTの能力(ICT Literacy)
  • 批判的思考、適応的思考、問題解決(Critical Thinking, Adaptive Thinking, and Problem Solving)
  • イノベーション、創造性、アントレプレナーシップ(Innovation, Creativity, and Entrepreneurship)
  • 学び方の学び / 自己認識と自己管理 (Learning to Learn / Self-Aware & Self-Management)
  • コミュニケーション(Communication)
  • 協働(Collaboration)
  • 倫理的理解(Ethical Understanding)
  • 異文化理解(Intercultural Understanding)
  • サステナビリティ(Sustainability)
  • 市民的リテラシー(Civic Literacy)
  • 健康(Health)

コンピテンシーをどう伸ばすか

重要なのは、それぞれのコンピテンシーをどう伸ばしていくかですね。

日本では、各学校の実践において様々な工夫がなされ、その実践例が発表、公開、共有されています。ただし「このコンピテンシーは、この教科でこういうことを行って伸ばす」、あるいは、「この教科では、このコンピテンシーを、こうやって伸ばす」ということをまとめた資料は、まだ存在しないように思います。そのような資料があれば、そこから演繹的に考えることができるので、実践について考えやすくなるのではないでしょうか。

そういうことで、私(藤本)がインターネット上でいろいろと調べたのですが、そのような資料を作成している国はほとんど見当たらず、その中で最も(しかも断突に)情報が多かったのがオーストラリアでした(他に、カナダの州も少しあります。例えば、https://ctrl-f.ca/en/curriculum/ontario-history/)。

オーストラリアのカリキュラム説明のバージョン情報(https://www.australiancurriculum.edu.au/help/f-10-curriculum-overview/version-history?utm_source=chatgpt.com#accordion-f7f4533eb5-item-74f5d48a5a)を見る限り、2013年版(バージョン4.1)から、各教科の内容説明において個々の教科横断的コンピテンシー(オーストラリアの呼び方では「General Capabilities」)が書かれるようになったようです。その後、バージョンアップを重ねて現在に至ります(現在はバージョン9.0)。

そこで、オーストラリアの定める、教科横断的能力(general capabilities)と各教科との結びつきについて紹介したいと思いますが、その前に、時事ネタということで、2025年11月28日に発表された、OECDのEducation Policy Outlook 2025(生涯学習者の育成に関する報告書)の内容を、次回から紹介していくことにします。

元塾 藤本豪