前回の続きです。
今回は、協働(Collaboration)についてです。

協働を主要コンピテンシーとして定めている国・地域・組織
このブログで取り上げた17の国、地域、組織のうち、コンピテンシーの一つとして「協働」(CollaborationまたはWorking with Others)を挙げているのは、シンガポール、カナダ、米国(P21 Framework)、アイルランド、ケニア、インドです。
他の国においても他者との協働は重視されており、他のコンピテンシー(たとえばリテラシーや人的・社会的能力)の内容の一部となっています。
カナダ
カナダでは、協働(Collaboration)について、次のとおり定めています。
(このブログで以前に紹介しましたが、再度載せます。)
協働(Collaboration)
「協働は、チームにおいて効果的かつ倫理的に参加するために必要な、認知的(思考や推論(reasoning)を含む)、対人的(interpersonal)、内面的(intrapersonal)なコンピテンシーの相互作用(interplay)を伴う。物理的および仮想的な環境において知識、意味、内容を共同で構築(co-construct)し、他者から、また他者と共に学ぶために、多様な状況、役割、集団、視点において、ますます高まる汎用性及び深い技能(skill)が適用される。」
「協働」には、以下の要素が含まれます。
- チームに参加し、前向きで(positive)敬意ある(respectful)関係を築き、信頼を育み(develop trust)、協力的に(cooperatively)誠実に(with integrity)行動する
- 他者の学び(learning of others)から学び、他者の学びに貢献する
- 知識、意味、内容を共同で構築する(co-construct)
- チーム内で様々な役割を担う
- 慎重(sensitive)かつ建設的な方法で、意見の相違(disagreements)に対処(address)し、対立(conflicts)を解決(manage)する
- 様々なコミュニティやグループとネットワークを構築する
- 多様な視点を尊重し、先住民の学び方を含む異なる知識の源(sources of knowledge)を認識する
- 他者と協働するために、多様なテクノロジーを適切に活用する
リンク
米国(P21 Framework)
米国(P21 Framework)では、協働(Collaboration)について、次のとおり定めています。
協働(Collaboration)
他者との協働
- 多様な(diverse)チームと効果的かつ敬意をもって(respectfully)協働する能力を発揮すること
- 共通の目標達成のために必要な妥協を行う際、柔軟性と協力的な姿勢(willingness to be helpful)を示すこと
- 共同作業(collaborative work)における責任を共有し(assume shared responsibility)、各チームメンバーの個々の貢献を尊重する(value)こと
リンク
https://files.eric.ed.gov/fulltext/ED519462.pdf
ケニア
ケニアでは、コミュニケーションと協働(Communication and Collaboration)について、次のとおり定めています。
コミュニケーションと協働(Communication and Collaboration)
協働とは、2つ以上の個人または組織が協力して共通の目標を達成するプロセスです。協働にはリーダーシップが必要となる場合もありますが、分散型または平等主義的なグループやチームにおいては、より多くの資源、評価、モチベーションを得るための協働において、社会的リーダーシップが機能することもあります。効果的なコミュニケーション戦略は、グループ間のより深い連携を促進し、最終的にはチームが協働的な問題解決に取り組む際の成功率を高めます。
リンク
https://kicd.ac.ke/wp-content/uploads/2019/08/BASIC-EDUCATION-CURRICULUM-FRAMEWORK-2019.pdf
所感
人が一人の力で行えることは限られています。ヒトという種の強みは、一つの目的のために協働できることでしょう。しかし、協働すれば意見の対立も生まれます。この点、カナダは対立の解決、米国(P21)は妥協、ケニアはリーダーシップについて言及しており、三者三様なのが面白いと思いました。
次回に続きます。
元塾 藤本豪


