今回から、これまでご紹介した国・地域・組織を含め、世界の国々(十数カ国)の主要コンピテンシーをまとめてご紹介します。

世界の国々の主要コンピテンシーを俯瞰する

これまで、シンガポール、カナダ、ノルウェー、EU、IB(国際バカロレア)、P21(米国)の主要コンピテンシーを紹介してきました。

このまま他の国(フィンランドやマレーシアなど)の話を続けても良いのですが、そうすると同じような話が続くことになるので、読者のみなさんが飽きてしまうと思います。そこで、いったん小括ということで、これまで紹介してきた国・地域・組織の定めるコンピテンシーをまとめつつ、他の国のコンピテンシーも紹介することにします

コンピテンシーの能力概念に基づく教育論・学習論は、OECDが提唱し、世界的なトレンドとなっています。日本も平成29・30・31年告示の学習指導要領でコンピテンシーベースの教育論に舵を切り、現在改訂中の学習指導要領においてもその路線が継承されています。多くの国、地域、教育組織の定める主要コンピテンシーを俯瞰することは、この世界的なトレンドにおける普遍的な内容を抽出し、今後コンピテンシーベースの教育について考えていくうえでの一定の視点(「概ね標準的といえる主要コンピテンシーは何か」という、自分の中での基準)をつくるのに役立つと思われます。そこで、いろいろな国、地域、教育組織の定めるコンピテンシーを整理してみることにしました。

それではさっそく始めます。まず、このブログで既に紹介した国・地域・組織の主要コンピテンシーからです。

シンガポール

「21世紀のコンピテンシー」(The 21st Century Competencies)

中核的価値観

尊重(respect)、責任(responsibility)、強靭性(resilience)、誠実さ(integrity)、思いやり(care)、調和(harmony)

社会的・感情的コンピテンシー

  • 自己認識(Self-Awareness)
  • 自己管理(Self-Management)
  • 責任ある意思決定(Responsible Decision-Making)
  • 社会的意識(Social Awareness)
  • 人間関係の調整(Relationship Management)

21世紀の新たなコンピテンシー

  • 批判的、適応的、創造的思考(Critical, Adaptive and Inventive Thinking)
  • コミュニケーション、協働、情報スキル(Communication, Collaboration and Information Skills)
  • 市民的、グローバル、異文化理解力(Civic, Global and Cross-Cultural Literacy)

これらのうち、適応的・創造的思考(adaptive and inventive thinking)、コミュニケーション、市民リテラシー(civic literacy)に特に重点が置かれている(「強化された21世紀のコンピテンシー」(The Enhanced 21st Century Competencies))。

リンク

https://www.moe.gov.sg/education-in-sg/21st-century-competencies

https://www.moe.gov.sg/news/press-releases/20230920-more-support-for-schools-and-students-to-shape-the-future-of-learning

カナダ

カナダのグローバルコンピテンシー(Pan-Canadian Global Competencies)

リンク

https://static1.squarespace.com/static/5af1e87f5cfd79c163407ead/t/5c6597f353450a15233b6e7c/1550161912721/Pan-Canadian+Global+Competencies+Backgrounder_EN.pdf

ノルウェー

教育と訓練の核心的価値(Core values of the education and training)

教育及び総合的成長のための原則(Principles for education and all-round development)

リンク

https://www.udir.no/lk20/overordnet-del/?lang=eng

次回に続きます。

元塾 藤本豪