前回に続き、基本スキル(The basic skills)について、ノルウェーの教育訓練庁の説明を紹介します。

学び方の学び(Learning to learn)
基本スキル(The basic skills)について、ノルウェー教育訓練庁は、以下のとおり説明しています。
(ノルウェー教育訓練庁のウェブサイト上の説明から一部を省略して紹介します。)
「学校は、生徒が自らの学習を振り返り、学習プロセスを理解し、自主的に知識を獲得できるよう支援しなければなりません。
自らの学習プロセスや教科における成長を理解することは、生徒の自立心と習得感(sense of mastering)の育成に寄与します。教育と指導は生徒の意欲を高め、良好な学習態度と学習戦略を促進し、生涯学習(lifelong learning)の基盤を形成するものです。これは、教師が生徒の発達を注意深く観察し、年齢・成熟度・機能レベル(functional level)に応じた適切な支援を提供しなければならないということです。
学習について、自らの学習と他の生徒の学習の両方を振り返ることで、生徒は次第に自らの学習プロセスに対する認識を育んでいきます。質問をつくり(formulate questions)、答えを求め(seek answers)、理解を様々な方法で表現することを学ぶ生徒は、次第に自らの学習と成長において主体的な役割を担えるようになります。各教科における課題に取り組むことで、生徒は各教科をどのように学び、自らがどのように発達していくかについての知識を獲得します。知識分野間の関連性を理解し、知識を批判的に習得・共有・活用するための多様な戦略を身につけることで、より深い洞察力(deeper insight)が育まれます。
個人の努力や学習戦略の活用にもかかわらず、学習上の課題を抱える生徒もいます。その背景には、多くの場合、多数の複雑な要因が存在します。したがって、全ての生徒に生涯学習能力を育むという目標を達成するためには、学校からの広いアプローチが求められます。」
所感
学習プロセスの理解と成長の理解
技術革新による変化の速い現代の世の中において、生涯学び続ける力(意思や態度を含みます。)は必須の能力であり、学校教育においてこれを伸ばしていかなければならない、ということが、多くの国における共通認識だと思います。問題は、どうすればこの能力が伸びるかです。
この点、ノルウェーの教育訓練庁は、生徒が自らの学習プロセスを理解することと、自らの成長を理解することの、2つを軸として考えています。そして、前者については、生徒が自らの学習と他の生徒の学習の両方を振り返ることで、自らの学習プロセスに対する認識を育んでいくとしています。いずれも、教師が個々の生徒に応じた支援を行うことが前提です。
質問をつくり、答えを求め、理解を表現する
生徒が自らの学習と成長において主体的な役割を担えるようになるための方法として、「質問をつくり、答えを求め、理解を様々な方法で表現することを学ぶ」ことが書かれています。そのような積極的な行いや態度を教師がうまく促していく、ということだと理解しました。
関連性の理解と批判的考察
「知識分野間の関連性を理解し、知識を批判的に習得・共有・活用するための多様な戦略を身につけることで、より深い洞察力が育まれます。」と書かれています。異なる分野の知識どうしを結び付けて考えることや、知識を身に付ける場面、他の人に伝える場面、実際に活用する場面のそれぞれにおいて批判的に考えることによって、より深い洞察力が身につくということです。そのような習慣が生徒に身につくよう、日々の授業において教師が働きかけていくということなのでしょうね。
次回に続きます。
元塾 藤本豪


