前回に続き、創造の喜び、関与、探求への熱意(The joy of creating, engagement and the urge to explore)
について、ノルウェーの教育訓練庁の説明を紹介します。

創造の喜び、関与、探求への熱意(The joy of creating, engagement and the urge to explore)

「創造の喜び、関与、探求への熱意」について、ノルウェー教育訓練庁は、以下のとおり説明しています。

ノルウェー教育訓練庁のウェブサイト上の説明から一部を省略して紹介します。)

「学校は、生徒が創造の喜び、関与(engagement)、探求への熱意を感じられるよう配慮し、機会を見出し、アイディアを実践的な行動へと変える体験を可能にしなければなりません。

子どもや若者は好奇心に満ち、発見と創造を望んでいます。教育と訓練は、生徒が関与し探求心を育む豊かな機会を提供しなければなりません。質問し、探求し、実験する能力は、深い学びにとって重要です。学校は、様々な探求や創造の方法を受け入れ、育む必要があります。生徒は、感覚的知覚と思考、美的表現形式(aesthetic forms of expressions)、実践的活動を通じて、学び、成長しなければなりません。学校における最年少の児童にとって、遊び(play)はウェルビーイングと発達に不可欠ですが、教育全体において、遊びは創造的で意義ある学びの機会を提供します。

創造的能力(creative abilities)は社会の豊かさに貢献します。協働(collaboration)はイノベーションとアントレプレナーシップを促し、新たなアイディアを行動へと変える原動力となります。創造的な活動を通じて学ぶ生徒は、多様な方法で自己表現する能力、問題解決力、新たな疑問を投げかける力を育みます。

芸術と文化には、私たちの物理的環境や社会の発展に影響を与える多くの創造的分野が含まれます。様々な文化的表現に触れることで美的感覚が育まれ、新たな視点を見出す助けとなります。芸術と文化的表現は個人の成長(personal development)においても重要です。文化的体験はそれ自体が価値あるものであり、生徒が在学中に多様な文化的表現に触れる機会が保障されなければなりません。

より広い視点では、創造的な学習プロセスは生徒の人間的成長(development as human beings)とアイデンティティ形成においても不可欠な要素です。学校は生徒の好奇心と創造力を尊重し促進するとともに、生徒が教育課程全体を通じて(throughout their entire schooling)創造的エネルギーを発揮できる環境を整える必要があります。」

所感

「子どもや若者は好奇心に満ち、発見と創造を望んでいる」との認識をベースに、「質問し、探求し、実験する能力は、深い学びにとって重要」なので、「教育と訓練は、生徒が関与し探求心を育む豊かな機会を提供しなければ」ならない、と述べています。どのような子ども像・若者像を考えの出発点にするかは、非常に重要ですね。

考えの出発点となる子ども像・若者像

個人的に最も興味深いと思ったのは、「教育全体において、遊びは創造的で意義ある学びの機会を提供します。」という部分です。小学校低学年だけでなく、中学や高校で遊びの要素を取り入れることで、何が起こるのか。自分にはちょっと想像がつかないので、実際にどうなるのか見てみたいです。

協働も必要

「創造的能力は社会の豊かさに貢献します。」の次に、やや唐突に「協働」(collaboration)のことが書かれています。これは誤記なのではとも思いましたが、よく考えてみると、自分で考え出したアイディアを一人で抱え込むのではなく、他の人たちと協働することで、社会の中での実現に結びつけることができる、という意味なのだろうと思いました。

人間的成長とアイデンティティ形成

最後の段落で、「創造的な学習プロセスは生徒の人間的成長とアイデンティティ形成においても不可欠な要素です」と述べています。ここでもアイデンティティの形成が出てきていますね。教育においてアイデンティティの形成が重視されており、だからこそ創造的な学習プロセスが重要、ということですね。

次回に続きます。

元塾 藤本豪