今回から、ノルウェーのコンピテンシーについてご紹介します。

ノルウェーのコンピテンシーの説明は奥が深い

なぜノルウェーを選んだかというと、各コンピテンシーについての説明が奥深く、素晴らしいと感じたからです。

カナダのコンピテンシーの説明と比べて、具体性と明確性は少し欠けるのですが、その代わり、理念についての説明が奥深く、味わい深いのです。ところどころに智慧が散りばめられています。

これまで10数ヵ国のコンピテンシーの説明を見てきましたが、まずカナダのコンピテンシーの説明を頭に入れた後、ノルウェーのコンピテンシーの説明を熟読玩味したうえで、オーストラリアのコンピテンシーの説明(各教科への落とし込み。後日このブログで紹介する予定です。)を研究すると、コンピテンシーに関する理解がだいぶ深まるのではと考えています。

ノルウェーのコンピテンシーの基本構造

以下の内容は、ノルウェーの教育訓練庁のウェブサイトにおける説明(https://www.udir.no/lk20/overordnet-del/?lang=eng)を基にしています。

ノルウェーの定めるコンピテンシーは、「教育と訓練の核心的価値」(Core values of the education and training)と「教育及び総合的成長のための原則」(Principles for education and all-round development)という、2つの段階で構成されています。

(ノルウェーは、「コンピテンシー」という概念で要素を挙げている訳ではないのですが、「教育と訓練の核心的価値」と「教育及び総合的成長のための原則」として挙げられた要素が、内容としては他の国でいうコンピテンシーに相当するので、このブログではそれらを指して「コンピテンシー」と表します。)

「教育と訓練の核心的価値」

教育と訓練の核心的価値(Core values of the education and training)

・ 人間の尊厳(Human dignity)

・ アイデンティティと文化的多様性(Identity and cultural diversity)

・ 批判的思考と倫理的意識(Critical thinking and ethical awareness)

・ 創造の喜び、関与、探求への熱意(The joy of creating, engagement and the urge to explore)

・ 自然への敬意と環境意識(Respect for nature and environmental awareness)

・ 民主主義と参加(Democracy and participation)

教育及び総合的成長のための原則

教育及び総合的成長のための原則(Principles for education and all-round development)

・ 社会的学習と発達(Social learning and development)

・ 教科における能力(Competence in the subjects)

・ 基本スキル(The basic skills)

・ 学び方の学び(Learning to learn)

・ 教科横断的テーマ(Interdisciplinary topics)

   ・ 健康と生活技能(Health and life skills)

   ・ 民主主義と市民性(Democracy and citizenship)

   ・ 持続可能な発展(Sustainable development)

次回以降、それぞれについて、ノルウェー教育訓練庁による説明をご紹介していきます。

元塾 藤本豪