前回に続き、英国政府が行おうとしている教育改革の内容(全10項目)を紹介していきます。

出典:

https://assets.publishing.service.gov.uk/media/690b2a4a14b040dfe82922ea/Government_response_to_the_Curriculum_and_Assessment_Review.pdf

全国共通カリキュラムを、完全にデジタル化され、容易に閲覧可能な形で作成する

「教科内や教科間のつながりを視覚的に表現し(visually represents)、事前学との関連性を示す(connections to prior learning)ことで、教師が教室で従来の教科の枠(traditional subject boundaries)を超えて学習を文脈化(contextualise)できるよう支援します。」(9頁)

全ての子どもの水準を引き上げる(Deliver high standards for all)

「私たちは、幼児期から中等教育まで、口頭表現能力(oracy)、読解能力(reading)、文章表現能力(writing)の水準を向上させます。私たちは、「人生におけるスタートの戦略」(Start in Life Strategy)をつくり、質の高い早期教育やケアへのアクセスを強化し、「ベスト・スタート・ファミリー・ハブ」(Best Start Family Hubs)を通じて家庭で子どもの言語能力や学習能力を伸ばせるよう家庭を支援します。これには、フォニックス・スクリーニング・チェックで90%の児童が期待される水準を満たすという私たちの野望を達成するのに役立つ就学前教育(reception year)の教員のための新しいトレーニングと能力開発が含まれ、SEND【筆者注:学習上の特別な支援の必要性(special educational needs and disabilities)を指します。】のある児童がフォニックスにアクセスし、読解力を向上させるためのサポートが拡充されます。7年生の基礎固めプログラム(Securing Foundations)を拡大し、不利な立場にある子どもたちがGCSEやそれ以降の試験で高い成績を収められるよう支援する、より高いレベルの数学達成プログラム(Higher Level Maths Achievement Programme)を通じて、数学の水準を向上させます。私たちは、順序だった新しいカリキュラム、地域および地方でキーステージ 3 【筆者注:11から14歳】の教育のベストプラクティスを動員し広めるための新しい地域改善(RISE)キーステージ 3 アライアンス、および評価へのより強い重視(focus)を通して、キーステージ 3 の教育を改善します。私たちは、SENDの生徒を含むすべての子供や若者のためにカリキュラムを適応させる教師を支援する目的で、エビデンスに基づいたリソースを開発します。より多くのことを達成できる生徒のために、私たちは、カリキュラムの時間中に生徒を伸ばすために適応されたカリキュラム教材を使用し、また学習意欲を高める課外活動の機会を通して、そのような生徒を特定し、関与させ、挑戦させるために教師をサポートします。私たちは、2026年全国読書年(2026 National Year of Reading)に向けて、すべての子供たちが読書を好きになるよう支援します。」

所感

「全ての子どもの水準を引き上げる(Deliver high standards for all)」のポイントは3つです。

① 言語及び数に関する早期教育

② 特別支援教育

③ より多くのことを達成できる生徒の教育

①は、「すべての児童に対し、人生において良いスタートを切ってもらう」という強い意思を感じます。

③は、より多くのことを達成できる生徒(pupils who can achieve more)、つまり、もっと学習のできる生徒を対象とする話であり、日本の中教審WGでの議論における「特定分野に特異な才能のある児童生徒」よりもずっと範囲が広いです。課外活動だけでなく、カリキュラムの時間中のこと(適応されたカリキュラム教材の使用)も考えられています。

次回に続きます。

元塾 藤本豪